ビデオで見る花火1

このInspected(花火の詳細)というページもかなり古いものになった。もちろん、花火のメカニズムの基本的な部分は何10年も変わっていないので、内容に間違いは出ていない。

しかし、内容が間違っていないと言っても、古いまま放ったらかしにしておいても良くない。というわけで、付け加えていくことにした。

花火をビデオで紹介するというもの。

まずは菊と牡丹。この2つは花火玉を語る上では基本中の基本となるもの。花火に興味を持った人は、まずこの2つを押さえる必要がある。

ビデオで解説しよう。

これが「菊」の花火である。花火玉は上空で爆発して、星(光る火薬)を四方八方に押し出す。星は燃えながら広がっていく。この星が尾を引いて広がるのが、「菊型花火」の特徴である。

このため、星が燃え尽きた後でも、尾が消えるまでに少し時間がかかる。この「余韻」が菊の特徴でもある。

牡丹

これに対して星が尾を引かないのが、「牡丹型花火」の特徴である。

このビデオでは何百という数の玉が上がっているが、これらはすべて「牡丹」というタイプの花火玉である。ここで上がっている花火は星が尾を引いてないのが分かるだろうか。尾を引かないので、星が消えれば、玉全体の光は消える。

2つの特徴

菊と牡丹の2つは火薬の成分によって違いが出る。花火の光る色は炎色反応によって作り出されているが、牡丹花火ではこの炎色反応を出す金属だけを火薬に混ぜている。

それに対して菊の花火は木炭が含まれている。木炭は「ゆっくりと」燃えるので、燃え尽きるまで時間がかかり、そのため「尾」として上空にしばらく残るのである。

昔は菊の方が「豪華」と言われていた。それは打上げた時に、しばらく余韻が残るからである。一方の牡丹花火は一瞬で消えてしまう。花火を1発上げた場合には、菊の方が豪華に見える。

しかし、現在はスターマイン(連続打上げ)が全盛の時代である。こうなると菊よりも牡丹の方がよい。それは、次々に花火が開くので、前の玉の尾が残っていると邪魔になるからである。上のビデオを見比べてみれば分かるが、牡丹のスターマインは打ち上げの間隔が短い。一方の菊のスターマインは時間感覚が長い。これは菊が尾を引いて開くので、それが消えるタイミングで玉を上げているのである。もしも菊を(上の牡丹並みに)短かい間隔でたくさん上げると、尾が残って邪魔になってしまうだろう。

今でも土浦や大曲で行われる尺玉の競技会のように、1発だけ上げて美しさを競う場合には菊が使われる。しかしほとんどの花火大会では打上げられる玉数を競っている。そうなるとスターマインが全盛になるので、どうしても牡丹が多く使われる。菊はセッションの最後に余韻を残すのには使われるが、大量に上げる玉は牡丹がほとんどである。