花火大会見物記 2009年
情熱のメキシコ

 

異国の地の花火は、その国の文化を見る思いがする。どこの国でも花火は人気がある。人出はすごい。それだけに、外国から来た観光客の自分が、そこに行って、花火を見て、帰って来るのは結構大変なことである。しかし、その苦労をする価値はあるのである。

2009年4月21日、メキシコで花火を見ることができた。これは狙ったわけではなく、偶然の出来事であった。4月に会社が代わり、転職先が決まったので、休暇のためにビーチリゾートに行くことにしたのだ。それがメキシコのPuerto Vallarta(プエルトバヤータ)というビーチリゾートであった。4月19日(日曜日)から4泊という日程でDreams Villamagnaというリゾートに行った。基本的にリゾートホテルの中では食事もタダ、酒もタダという極楽状態だった。

しかし、好奇心が湧いてきて、3日目の21日にダウンタウンに出てみたいと思った。リゾートはPuerto Vallarta市の中心から離れている。はっきり言えば、Puerto Vallarta国際空港から市内とは反対側に位置する。

大きな地図で見る

この地図でAというタグが立っているところが空港、その南のPuerto Vallartaとあるのが市の中心街。空港の西にあるNayan Resort Golf Nuevo Vallartaとあるのが、泊まっていたリゾートであった。市内まではタクシーで30分くらいのところにある。料金は200ペソくらい。

そのPuerto Vallartaの市の中心地でまず市の観光局に行った。ここは最近注目を浴びている観光地ということで、アメリカ人の団体客もいるし、こういった市の観光局も中心に作られている。その中に入ると、子供が描いたと思われる花火の絵が飾られていた。さらに大きな花火の写真があって、

Simposium Internatcionale de Fuegos Artificiales
Puerto Vallarta Mexico 2009
del 20 al 24 de Abril

と書いてある。これは花火大会があるということだろう。スペイン語は読めないが、AbrilというのあAprilのことだと分かる。20日から24日ということは、今日(4月21日)は花火が見られる?俄然「国際的花火紀行作家(ウソ)」としての自覚に燃えた私は、その観光局のおじさんに聞いてみた。メキシコはスペイン語圏だが、こういう場所の人は英語を話す。

彼によれば、これは「国際花火シンポジウム」というイベントで、20日から24日までのイベントであると言う(実際には22日は休みで、19日に前夜祭みたいなのがある)。そして「今日21日は市民スタジアムで花火があるよ」とのことだった。時間は夜の8時からということであった。後ほど調べてみると、これは

11th International Symposium on Fireworks

という本格的な国際シンポジウムであった。これはカナダ、アメリカ、メキシコの北米3国で開催されているものらしい。また、Puerto Villartaの北にあるPitillalという町は、メキシコにおける「花火の首都」と言われるところだそうだ。事前に知っていたら、今回の旅行は全く違った趣向になったかも知れない。今回はリゾートに来てしまったが、こんな花火の国際シンポジウムの打ち上げがあると聞いては、見ないわけにはいかない。

ということで、昼の間は市内を観光して、一旦ホテルに戻り、夜に改めて出直すことに決めた。

夜の7時過ぎ。サマータイムのためまだ太陽は高い位置にあるが、ホテルでタクシーを読んでもらう。ホテルのベルボーイが「こいつらは花火が見たいのでスタジアムに連れて行ってくれ」とタクシー運転手と話している。すると、いろいろドライバーもいろいろ言っている。どうも、今日8時からある花火は市民スタジアムではないらしい。ベルボーイは「彼(運転手)はカーラジオでこの情報を何度も聞いているので、確かだよ」と言う。そして、観光局でもらったチラシを見てみると、確かにU DEP FUTBAL(フットボール場?)での花火は夜中の12時からで、8時からはPITILLALという場所であるという。Pitillalってどこだ?地図で見ると市街地から山に入ったところのようだ。

それでもそこで花火が見られるのなら行きましょう。タクシーは空港を越えたところで、幹線道路から出てどんどん山道に入って行った。

P1000708 この階段の上に・・・

「こんなところでいいのか?」と半ば心配になった頃、人々が1方向に向かって歩いているのが見えた。これで花火が近くであることが判明した。タクシーはある高台の前で泊まった。「あの階段を登っていけば会場だよ」と運転手が言ってくれた。「花火の後、どうやって帰ったらいいんだい?」と聞くと、近くにいる警備の警官に何やら話をして、「警官がいっぱいいるはずだから、彼らにタクシーを頼んだらいい」と言ってくれた。

この運転手に礼を言って、会場に行くべく階段を登った・・・

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